タカヤマ建築事務所の建築日記
住宅を中心に活動している大阪の建築設計事務所
家づくり日記/活動記録

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有縁のすみか 竣工式

有縁のすみか、本日竣工式が行われました。

メンバーの皆さま、ご家族の皆さま、たんぽぽの家の皆さま、ご支援ご協力いただきましたたくさんの皆さま、おめでとうございます。そしてお待たせいたしました。

「縁」が生まれ、「縁」を育むためにどのような事をするのがいいのかということを、4年間じっくり時間をかけて議論し、実践してきました。

工事に入るまでの2年間に縁側朝市、ケアラーズサロン、チャリティカラオケ、ボーリング、寄席などが行われました。

工事中は、デザイナーや彫刻家にご協力頂き、自分たちの部屋の入り口の表札や床柱のワークショップを通し、交流を育みました。

そしてこれからは実際の生活に入っていきます。笑顔の絶えないスタッフの皆様と一緒に六条山カフェという交流スペースを活用しながら、たくさんの人とたくさんの「縁」を育み、素敵な生活を送ってもらえることを願っております。


メンバーの皆さま、スタッフの皆さま、たまにタカヤマも誘ってくださいね。その日が来るのを今か今かと心待ちにしておりますので。




 
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有縁のすみか 植栽

有縁のすみか 玄関アプローチの給湯器の目隠し

建築で隠しきれなかった給湯器の目隠しをどうしようかと悩んだ末、GREEN SPACE、辰巳兄弟のお二方に植栽を植えていただきました。

完全に隠すというより、手前に植栽をもってきて目線をそらすというほうが正しいのですが。

植栽は春に花を付けて良い香りがするそうです。花が咲くとより一層目線がそれるかなぁと思っております。



 
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「わたしの部屋の窓」 設置


そこに住むメンバーの人柄が垣間見える表札。直接描き込まれ重たいイメージを持つ襖絵を、親しみやすく軽やかで有縁のすみからしいデザインで表現。円形のデザインが人と人との縁をつなぐ。

「わたしの部屋の窓」の設置。

メンバーが描いた絵をデザイナーがデザイン処理を施し、みんなで設置。

メンバーのみなさんの笑顔があふれ、楽しい設置作業となりました。

膨大な作業を陰ながら支えてくれました、チーム有縁の皆さま、お疲れ様でした!


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「有縁のすみか」これまでのあゆみ
たんぽぽの家のスタッフさんがこれまでのあゆみをまとめてくださいました。


「有縁のすみか」これまでのあゆみ

[〜2011年]
「自分らしく生活できる場所をつくってほしい」というたんぽぽの家のメンバーやその家族と、「福祉ホーム・コットンハウスの実践を活かし、地域で新しい暮らしの場をつくりたい」というスタッフ。それぞれの立場で生活の場の新設を具体的に考え続けてきました。物件の見学や、グループホームについての勉強会の開催など、少しずつ実現に向けて動き出した時期です。

[2012年]
たんぽぽの家のアート活動に協力をいただいていたクリエイティブ・イントロデューサーのやまもとあつしさんより、建築家の高山佳久さんをご紹介いただき、現在の建設予定地に候補を絞って、新しい拠点の建設に向けて始動しました。
入居希望者や家族に対して、暮らし方に関するインタビューを行うと同時に、「地域の拠点」としてどのような役割を果たしていく必要があるのか、コンセプトについて議論を重ねました。そうした議論をとおしてたくさんの夢や構想を言葉にし、それを高山さんがいくつもの設計プランにしていきました。
まとまった設計プランの建設資金を確保するために、民間助成財団への福祉施設建築助成金申請を行いましたが不採択となりました。



[2013年]
やまもとあつしさんの提案で、このプロジェクトを「有縁のすみか」と呼ぶことにして再始動しました。「有縁」は仏教用語。人と人との繋がりの希薄さが強調される現代において、日常を人と人との「縁」によって豊かなものにしていきたいという願いを込めています。
地域の人たちやたんぽぽの家を支援してくれている人たちにこの取り組みを伝え、寄付や市民債券を募る活動を始めました。建設予定地での定期的な朝市の開催や、チャリティー寄席、チャリティーカラオケ大会、チャリティーボーリング大会など、様々な活動を通して「有縁のすみか」を応援していただくことができました。入居予定者もある程度絞り込まれ、家族会である「すだちの会(巣立ち、柑橘のすだちの意)」が立ち上がりました。
新しいコンセプトのもとにつくられた設計プランの実現をめざして、再び福祉施設を対象とした建築助成金申請を行いましたが、2年連続で不採択でした。



[2014年]
プロジェクトの存続自体が危ぶまれるなか、建築規模の縮小、コンクリートから木造に変更した設計プランを、コンセプトはそのままにして再度つくり直しました。それを、福祉施設のみを対象とした助成金ではなく、奈良県産材の活用が条件となる林野庁の公共建築物を対象とした補助金を申請し、やっと採択されました。
また、フォーラムを2回開催し、地域で新しい暮らしの試みをしている方たちと意見交換を行いました。このときに新たに得たキーワードが「地域を有縁のすみかに」というものです。私たちは「有縁のすみか」で生活する障害のある人だけに目を向けるのではなく、ここを拠点に、地域そのものが「有縁のすみか」となることをめざしたいと考えました。
そうした発信をする場所として「カフェ」をオープンすることを決め、「縁側カフェ」という月1回のコミュニティカフェをアートセンターHANAで開くようにしました。また、建設予定地の目の前にある西の京高校地域創生コースの学生とたんぽぽの家メンバーがコラボし、有縁のすみかのコンセプトを実現させるために、六条地域で暮らし活躍する人たちへのインタビューをとおして「六条人」という冊子を発行しました。



[2015年]
5月に入札を行い、建築施工業者が大倭殖産株式会社に決定。7月地鎮祭、11月上棟式と、工事は着々と進みました。並行して運営体制の検討を重ねました。「有縁のすみか」は「福祉ホーム」です。障害のある人の共同生活というとグループホームか入所施設が多いのですが、福祉ホーム・コットンハウスを運営してきた経験から、生活者一人ひとりを尊重することができ、加えて障害の違いや世代を超えた支え合いの仕組みを整えることができる福祉ホームを選択しました。入居予定メンバーと定期的に話し合いやワークショップを行い、新生活のイメージを一緒に膨らませてきました。
カフェは「六条山カフェ」という名称になりました。関連して、同志社大学社会福祉学科助教・森口弘美さんの研究「まちづくり協働研究・みんなが行きたくなるカフェってどんなカフェ?」に参加。六条山カフェを、みんなが「行ってみたい!」と思うカフェにするために、たんぽぽの家のメンバー等知的障害のある人が学生や研究者とともに調査を行いました。



4年間にわたる活動期間を経て、有縁のすみかはようやくオープンを迎えます。これまで本当にたくさんの皆さんに応援や協力をいただきました。「地域を有縁のすみかに」という当初の志を忘れず、ご協力いただいた皆さんの期待に応えられる場所にしたいと思います。




 
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バリアフリー


現場所長:「この階段、上がる時は良いんですけど、下りる時、段が一体化して見にくくて危なくないですか?ノンスリップとかで目印付けた方が良くないですか?」

タカヤマ:「きれいにしてくれているし、シンプルにしたいし・・・。段鼻に何か付けるの抵抗あるし、ノンスリップのちょっとした段差で逆につまづきそうだしな〜。ちょっと様子見ましょう。」

と言っていた矢先、他の方からもご指摘。

タカヤマ:「一度使ってみて・・・ムニャムニャムニャ。」

そんなやりとりをしていた10分後、ゼネコンの専務が帰り際にココで段を踏み外しそうになってよろめいて危なかったとの報告。

申し訳ございませんでした。そうですよね。福祉ホームですものね。皆にとってバリアは無くさないとね。

視認性を良くするために段の先端の1枚、濃い色に変えてもらいました。




 
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【私の部屋の窓】 デザインチームより

【わたしの部屋の窓】Concept 3 アートデザインの試み

有縁のすみかでのデザインチームの試みを二階堂氏がまとめてくれましたので、ご紹介いたします。




メンバーさん(入居者)の個性を具現化し、「縁をつなぐ、縁が広がる」表札を制作する「わたしの部屋の窓」プロジェクト。
・メンバーさんに新生活への期待を抱いてもらい、楽しみに待っていてもらえるように
・自ら制作に関わることで、部屋に愛着を持ってもらえるように
・家族やスタッフ、ボランティアなど本人以外が関われる余地を創造し、必要に応じてバージョンアップできる可変性、拡張性を持たせる

というミッションのもと、それぞれの部屋の扉に、個人と他者、室内と外界をつなぐ「窓」に見立てた円形パネルを設置しました。事前に開催したワークショップで好きなものや宝物、その場でひらめいたものなどを描きたいだけ描いてもらい、それぞれの個性をさらに引き出すためのデザインをほどこして、パネルにプリント。唯一無二のアナログ感を大切にしつつ、デジタル処理を加えることで、缶バッジやカフェのコースターなど…さまざまなコミュニケーションツールを生み出していけるように工夫しました。

さらに扉の横には、刺しゅう枠のような円形フレームをプラス。色とりどりの糸を張りめぐらせて、イニシャルなどを立体的に表現してもらいました。糸の部分には思い出の写真や手紙、お気に入りのものを吊すことができ、新たなコミュニケーションを生み出し続ける機能を持った表札に。

また、地域の人々との出会いと交流の場となる「有縁のすみか」がさらなるご縁を育んでいけますように、という願いを込めて。シンプルな丸いステッカーを用意して、思い思いに貼ってもらうプロセスも加えました。

縁は円、エネルギーを表す輪。伝統的な襖絵にも使われている水玉文も、暗に意識しています。

History
2015年12月16日 第1回ワークショップ(缶バッジ製作)

2016年2月24日 第2回ワークショップ(わたしの部屋の窓)

ワークショップでの素材をデザインチームが加工、最終仕上
2016年3月23日 設置

デザイナープロフィール(順不同)

和田 武大
デザイナー
1982年神戸生まれ。専門学校卒業後、デザイン制作会社を経て、2014年7月にDESIGN HEROとして独立。グラフィックデザインを中心に、市民参加型イベントや教育現場などに活動の場 を拡大しつつ、社会的なプロジェクトに関わる。デザインを広く見つめ直し、取り組み中。2009年より大阪デザイナー専門学校非常勤講師兼務。
http://www.designhero.jp/

サタケシュンスケ
イラストレーター
1981年大阪府枚方市生まれ 兵庫県神戸市在住。広告制作会社勤務のグラフィックデザイナーを経て2007年に独立、以後フリーランスのイラストレーターとして活動を続けています。主な仕事は広告、書籍等で使用するイラストレーションおよびキャラクターの制作、モチーフは人物や動物が中心。イラストレーター6人で構成されたユニット「なりゆきサーカス」の一員としても活動中。その他、京都造形芸術大学で非常勤特別講師を務めています。(2011〜)。
http://naturalpermanent.com/

藤原 幸司
デザイナー
1982年神戸生まれ。広告制作会社等の勤務を経て、2012年2月より4S DESIGN(フォースデザイン)として活動を開始。飲食店などの印刷物のデザインを中心に企業と学生が商品を開発する企画や商店街の活性化など活動にも取り組んでいます。
http://4s-design.net

二階堂薫
コピーライター
阪急百貨店で企画・宣伝を担当後、フリーランスに。「共に考え、言葉化して、伝わる言葉で伝える」過程を重視。衣食住をはじめ、行政、福祉、教育、地域、農や土など…暮らしにまつわるモノやコト、世のため人のための取り組みをわかりやすく伝える役割を担う。神戸芸術工科大学で3年間、2015年からは兵庫県立大学で非常勤講師を。情報の受け手の視点で考える、伝わる言葉の講座も実践中。
http://kaorinikaido.com/

山本 あつし
プロデュース
1971年、大阪生まれ。奈良在住。
 自らクリエイティブ・イントロデューサー(創造的紹介者)と名乗り、地域に眠る価値を見つけ、それを紙媒体・映像・イベント・プロダクト・建築など様々な手法によって形にするプロジェクトを数多く手掛ける。奈良をメインフィールドとしつつ、そこから全国のまちを面白くするロールモデルを生み出すことをテーマに、2011年「ならそら」を設立。藝育カフェ Sankaku プロデューサー、奈良佐保短期大学 非常勤講師、奈良市 総合計画審議会 委員、奈良市 文化振興計画 推進委員、奈良市 まち・ひと・しごと創生総合戦略懇話会 委員、御所市 学校規模適正化推進会議 委員、奈良市下御門商店街協同組合 広報担当、「my home town わたしのマチオモイ帖」制作委員会 委員 ほか


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【壁塗】ケアスタッフ三輪氏より

【壁塗】Concept 3 アートデザインの試み

『壁塗りをしたいと思ったのはなぜですか?思い入れなどありましたら教えて頂けませんか。』

床柱製作の時もメンバーのサポートをしながら、一緒になってのみと木づちでトントンカンカンされていた三輪さんに、なぜ壁塗りをしたいと思われたのか聞いてみました。


『壁塗りへの思い入れですか・・・

そんなに強いものはないのですが。

ひとつは、祖父が大工、父が建具屋だったということもあり、建築に関しては興味があるということです。ゆくゆくは、家族で家を建てようと考えています。

もうひとつは、以前TV番組の「プロフェッショナル」に左官職人の挟戸秀平さんが出演されていました。挟戸さんは、すばらしい職人の技と鋭いアーティストとしての感性を併せ持っておられました。その姿が「かっこいい〜!」とおもい、触発されました。

あと、入居者を支えるスタッフとして、「有縁のすみか」に愛着をもちたいと思いました。』


History
2016年2月12日 現場壁珪藻土塗り

プロフィール
たんぽぽの家 三輪亮一
1976年生まれ
大阪府出身
教育大学(養護学校教員養成課程)を卒業し、たんぽぽの家に就職
今年で14年くらい
たんぽぽ生活支援センターに所属し、日々障害のある人と向き合っています。


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【床柱製作】たかはしなつき氏より


【床柱製作】Concept 3 アートデザインの試み

床柱製作の監修をして頂いた、たかはしなつき氏からコメントが届きましたので、ご紹介いたします。

床柱をみんなで制作できてとても楽しかったし嬉しかったです。私はたんぽぽの家に関わって15年くらいたちますが、多分ずっとこんな風にメンバーと一緒に木を彫ってみたかったのだと思います。

コンセプト
有縁のすみかを建設した土地から伐採した木で床柱を作りました。これから新しくここに暮らすメンバーがノミと木づちで丁寧に彫り進めました。制作に関わった全ての人が有縁のすみかで自分らしい暮らしを刻み込んでもらえたらとの想いを込めて作りました。今ココにあるもの、すでに存在しているものから新しく生まれてくるものへつなぐバトンのような床柱です。

History
2015年11月27日 第1回床柱ワークショップ
2015年12月3日 第2回床柱ワークショップ
2015年12月4日 第3回床柱ワークショップ
2015年12月8日 第4回床柱ワークショップ
たかはし氏が最終仕上。

プロフィール
たかはしなつき
奈良市在住
彫刻家
奈良県内の山々から木を伐採してきて、その土地の風土や人々を通して木の精霊や森の神様を彫刻で表現しています。


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有縁のすみか Concept 5


地元、奈良県産材の「木」を活用

主要構造は木造
内部空間は一部真壁造、軒裏は化粧垂木。木材を表しで利用し、「木」の廻りで利用者間の交流が育まれるよう意図している。
地産地消、気候風土に合った材料を使用。
敷地内の木を加工して製作した床柱は究極の材料。
地元の材料を使うことにより、地域性のある交流も生まれることを期待する。


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